鵜呑み行進曲

嫌がらせの体験記

転職先

嫌がらせの会社を辞めてから、しばらく働く気は無かった。
また同じような目に遭うのは避けたかった。
が、いつまでも働かないわけにもいかない為
重い腰を上げ、職に就いた。


その会社の出向先で働く事になったが、そこに
奇跡の様に嫌がらせ連中の知り合いが居た。
嫌がらせの会社がある駅から、かなり離れた駅だったにもかかわらず。


会社から、最低何カ月は辞めないでほしいと言われていた為
辞めるわけにもいかなかった。
デマは直ぐに広まり、腹の立つ噂を聞きながら仕事をする事になった。


どの会社も噂のせいで風当たりは、きつかった。


その会社を辞めてからも職を転々とし、会社Kに勤めた。
配属部署の責任者は私に興味を持ち、
履歴書の過去の職歴から私の事を探り、
嫌がらせ情報を得るに至った。
そして、噂は瞬く間に広まった。
個人情報の保護をするどころか
人の個人情報で嫌がらせ連中と通じ
悪評を会社中に広めたのである。


私には最悪のシナリオしか用意されていなかった。


それから毎日、何年も、人がまじめに仕事をしている時に
周りから私をバカにしたり笑う声を聞く事になった。
仕事を、どうしたらもっと速く、きれいに出来るかを試行錯誤
しながら集中している時に
仕事に集中するという事を知らない者達が
仕事と関係のない悪口を延々と喋っていた。
仕事の集中を妨げるような会話を聞きながらも
集中せざるを得ない仕事環境だった。


私の悪口は挨拶言葉になっていた。
「今日は○○やなー」
「○○してたで」


私が老化に悩んでいるというのに仕事中に
「どこがかわいいねん、子供っぽいだけやん、気持ち悪い言うてたで」
などと笑う声が聞こえてきた。



何も考えず、噂を只、オウムの様に繰り返し言い
人の悪口をコミュニケーションツールにしていた。


噂を鵜呑みにする者は単純な思考回路しか持ち合わせていなかった。


「自分で可愛いと言ってたことを忘れてる」と聞けば
それを、そのまま丸呑みにする。


信じられる噂は信じ、これは違うだろうと思う噂は信じず
都合よく鵜呑みにしていた。
嘘をついていると分かった時点で普通は嫌がらせと気付く者である。


自分の顔を崩れてると自分で言おうが
完璧な仕事をしようが
嫌がらせ連中の言う事が絶対の真実と思い込んでいた。



特に悪口を言いたがる3ババトリオがいた。
「大中小」とも呼ばれていた。
縄張に入ってきたら何をしてもいいと思うのか
悪口を言いたい放題に放っていた。
相手を悪く思うことで自信がつくのか
相手を引きずり降ろそうと躍起になっていた。
人の悪口を栄養にし続ける寄生虫だった。
デマ情報という願ってもない餌にありつき、食いついて離さなかった。
その様は、捨てたゴミにたかるハエのようだった。
童話に出てくるような醜い者が実際いることに驚いた。


3ババトリオや男子社員が悪評を言い触らしながら、
私の過去の勤務先や近所をかぎまわるという
異常な迷惑行為を繰り返した。
嫌がらせ犯と通じ連絡を取り合っていた。


私の言動は全て嫌がらせ犯に筒抜けだった。


各ラインの責任者が、新しい従業員が入ってくる度に
仕事を教えるのと同時に私の悪評も言い触らした。


隣のラインの仕事を頼まれ
納期に間に合わせようと全集中で作業している時に
聞こえてきたのは「喋らん」と笑う
隣のラインのリーダーの声だった。
表の顔は人が良さそうだが、裏では人を笑いものにする
かなり病んだ、裏表が激しい、腹黒い者だった。


新しく入社したハゲのおっさん社員が
後ろのラインで仕事中に私の噂を聞き出しては
延々と悪口を喋っていた。
そして私の後ろを通りかかる度に私を見ては
見えた印象を女ボスに報告していた。
その度に女ボスの「ガハハッ」という笑い声が聞こえてきた。


噂にもならない為、悪く言われない者が
私が悪いから悪く言われると思っていた。


もはや、噂さえされなくなった事が、よほど
悔しいのかキチガイの様に金切り声で悪口をわめく者もいた。



私がトイレに行く時に見計らったように
トイレに入ってきて、トイレの早さを競いたがる者がいた。
先に出ては勝ち誇っていたが、トイレットペーパーの
交換もしない者だった。
関心事は私の事ばかりで、他に考える事が無いようだった。
常に私のイメージを汚し、おとしめて喜んでいた。
自分が勝っていると思い込むこまないと
生きていけないようだった。



ある日、嫌がらせの会社の食堂で前に座っていた人が入社してきた。
吉と出るか凶と出るかと思いきや、凶と出た。
その者も噂を鵜呑みにしていた為
より、噂に真実味が出ることになった。



同じラインで、仲良くするため悪口に同調していた者が
憶測でばかり、ものを言っていたが、
しまいには私を携帯泥棒呼ばわりした。
結局見つかり、自分が置き場所を忘れただけだった。
そこの若い男子社員とグループで飲みに行く事が
女ボスなどの嫉妬をかったのか
上司と不倫していると噂され、辞める事になり、
離婚もしたと、私が辞めた後、人の噂で聞いた。
それなりの罰が当たったようである。


「そんなに嫌やったら辞めたらいいのに」と人は言うが、
転職しても続きが待っているだけである。
転職までのブランクで借金が膨らむ事にもなる。
会社が駅から近く、大型スーパーもあった為
長居することになった。


仕事自体はバラエティに富み面白味もあったが
人が最悪だった。


ある時「なーんや 違ったんかぁ」
という感じの女ボスの声が聞こえてきた。
ようやく、噂がデマだった事が分かったようだった。
ちょっとは静かになったと思ったのは束の間、
すぐに別の悪口を言いだした。


自分の方が勝っていると思わないと
惨めな気分になるようだった。


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