鵜呑み行進曲

嫌がらせの体験記

会社 I

求職中、10時始業を希望していた為、なかなか仕事が決まらなかった。
そろそろ、どこでもいいから会社を決めようと思っていると
わりと近場の会社の求人があった。
近い為、9時始業でも妥協したが問題があった。
その会社のある駅は、嫌がらせの会社と同じ駅だった。


嫌がらせの会社を辞めてから15年以上経っていた為
その当時の従業員も、あまり居ないかもしれないと思い、
とりあえず働く事にした。
仕事は覚える事が多く、すぐに辞められるような仕事ではなかった。


その内、聞きなれた悪口が聞こえてきた。
嫌がらせ犯と通じるのも時間の問題だったようである。
噂好きのスピーカーが噂を聞きつけ、言い触らした。
そうして居心地の悪い日々を送ることになった。


職場の近くのスーパーで、そのスピーカーが知人と3人で
立ち話をしているのを見かけたが、
かなり時間が経過した後も同じ場所で微動だにせず話していた。
自分が先に、その場を去ったら自分の悪口を言われるのを恐れ
立ち去れなかったのだろうか。
憶測だが、悪口を言う者は、人も同じ事をすると
思うものである。


その者は同僚も、あまり関わりたくなかったようである。


古株の為、仕事をミスして注意されても
仕事を「もーせーへん」で済ませられていた。


また、どこから判断したのか
「おにーさんに生活費、出してもーてんねんから、えーわな」
というような事を笑いながら言っていたが
私は家の事を一切しない兄と同額の生活費を払っている。
何でも憶測でものを言う者だった。



同じフロアにも、何かというと悪口を言いたがる者がいた。
仕事と何の脈絡もないのに、いきなり私の悪口を持ち出し
同僚に悪口を同調させていた。
四六時中、私の悪口をいう事ばかり考えていたようである。
悪口に相手が乗ってこなければ、自分のイメージを刷新する為
アメを配っていた。
人のミスには厳しいが、私以上にミスをしていた。
人のせいでミスをしたような顔をして
材料を勝手に切りに行っていた。
私の悪口をいう事で、自分の失態から人の目を、そらさせていた。



冗談か本気か「私を誰やと思ってんの」というのが口癖の人がいた。
よほど自分が優秀だと思っているようだった。
勝ちたがりで、通勤時、電動自転車と競って勝ったと思っている者だった。
ある時、大けがをしたようだが、その時に転んだのだろうか。
レジで、老人が遅い、と話をする者である。
老人なのだから、目や手の動きも悪くなり認知症の可能性もあるだろう。
50歳も超えた私にヒステリックに怒鳴りつける者である。
私は言われた作業方法より効率の良い方法があれば、そうするタイプである。
その者の言動で辞めていった人は多いようだ。
自分が入社した頃は、もっと酷いことを言われたと、よく言っていた。
私が涼しい顔をして仕事をしてると思うと
もっと必死そうな顔をするように言っていた。
悪い所を挙げれば、このような者だった。



別の事業所の仕事が無い為、やって来た者がいた。
一人は上の階に行ったが、仕事は「何もできん」と陰で言われていた。
真面目に仕事をしていた検査員が辞めたが
自分の仕事を確保する為、何かと、いちゃもんを付け
辞めさせたのが想像がついた。
物が無いと下の階に降りてきては、
人に探させ邪魔ばかりしていた。
私の噂に食いつき、しきりに聞き出していた。
私の話で盛り上がれば仕事もサボれる為
余計に噂を聞きたがった。
噂を鵜呑みにする頭を使えない者は仕事も出来ない。



1階で仕事を真面目にしていると、延々と私の悪口が
隣の建物から聞こえてきた。
別の事業所からやって来た、もう一人の者だ。
その者も仕事が出来ないようだった。
元々誰の悪口も言う者で、同じ職場のパートの悪口も
男子社員に喋っていた。
仕事に集中している時に、延々と私をあざ笑う声が
鬱陶しすぎた為、会社に見切りをつけることにした。