鵜呑み行進曲

嫌がらせの体験記

嫌がらせの始まり

会社での男子従業員の鬱陶しい声も
家へ帰れば聞こえず、穏やかに過ごせると思っていた。
が、ある日、隣の家から男子従業員と同じセリフが聞こえてきた。
私に怒鳴られ馬鹿にされた男子が、腹いせに勝手な思い込みや
私を如何にも頭がおかしいと思わせるようなデマを
隣の住人に吹き込んだのだ。


会社から配られた従業員の住所や電話番号から個人情報を知り
隣の家に電話をし、最初は私の事を探っていたが
馬鹿にされてからは、デマを次々と吹き込み
近所に言い触らさせ、嫌がらせをするようになった。


元々、隣の住人の老夫婦は、私を嫌っており
噂を聞くと、鬼の首を取ったように、はしゃぎ、
近所や町中に言い触らした。
それから毎日、隣や近所から私の悪口が
延々と聞こえてくるようになった。
噂は蜘蛛の子を散らすように広がり
悪事は千里を走り続けて
悪評のウイルスを撒き散らした。


会社の情報は近所に
近所の情報は会社に
醜いネットワークを形成し
悪評のウイルスは増殖し続けた。


町の人権相談や警察も証拠が無ければ
何の役にも立たなかった。


ドブ掃除の日は、私の悪口デーになっていた。
嫌がらせに利用されているのも分からない者たちが
口々に悪口を交わしていた。
探偵によると、嫌がらせ犯は、私が近所から
キチガイ扱いされている状況を笑い、
まだ作戦を練っているとの事だった。


向かいと裏の家に噂が伝わると
「アホや!最低や!」と、今まで、どんな声をしているのかも
知らなかった息子や娘の声が聞こえてきた。
鵜呑みにする方がアホなのである。


父の入院先でも、噂を鵜呑みにした看護師やヘルパーが
噂を面白がっていた。
コンプレックスを刺激されたブサイ看護師が
特に率先して言っていた。
毎日付き添いをする私を悪く言う最低な者達だった。


トイレ工事を頼めば、業者が鵜呑みにしたデマを喋っていた。


知人を見かけても、この人も噂を鵜呑みにしているのではないかと
猜疑心で見るようになった。


私から嫌がらせの話を聞いた人は私をノイローゼ扱いし、
隣の住人から広まった話を聞いた者は私をキチガイ扱いし
私の評価は二極化していた。