鵜呑み行進曲

嫌がらせの体験記

事の始まり

収入を得る為、とりあえず時給が高めで
早く退社出来る仕事に就いた。
職場は、フロアに男子従業員の仕事場と
その端に衝立で仕切られた小部屋に女子従業員の仕事場があった。
その小部屋の女子従業員は3人だったが、
1人は、ほぼ別の職場で働き
私は50代の女子社員と隣同士で仕事をしていた。


そのうち、ある男子従業員が私に興味を持ち、
30半ばの私を近くで見もせず、「可愛い」と言い出した。
だが、理想に反して「暗い」と言い
会社中で「可愛い」「でも暗いねん」と
そればかりを言い続け、会社中の話題となり
食堂に行く度に皆が一斉に私をジロジロと見るようになった。


私を近くで見て、「ブサイ」と言われるのも
腹が立つので、歳をとっている事を分からせる為に
隣の人に「歳とって顔が崩れて外歩くのも嫌になりましたわ」
などと言っていた。


イオンに毎週行く話をすると、
ゾロゾロと店にやって来るストーカー達だった。


男子従業員は朝から夕方まで延々と、
私の顔や性格の事を、とやかく言っていた。
顔が良く見えれば「可愛い」「女は顔や」と言い
ブスに見えれば「どこが可愛いねん」
「ブスやのに女は顔やと思っとる」と
勝手な解釈で好き放題に言っていた。
仕事をしているのか疑うほど
私の評価を上げ下げしながら、延々と私の話をし続けた。


その内、私に興味を持つ男子は、別の部署に異動になり
代わりに別の男子がやってきた。
後の嫌がらせ犯である。
その者は異動になった男子が、私のどこに興味を持ったのか
ジロジロ見たり、私の話に聞き耳をたて、
私が何か言う度に解釈したいように解釈したことを言っていた。


その者は毎日、一日中、腹の立つ話を、
言いたい放題に喋り続けていた。
「よー見てみ、ブサイで」
「化粧塗りたくっとんねん」
「男探しに来とんねん」
「絶対、自分で可愛い思っとる」


秋になり、急に顔も老け込みだすと、
「あんな顔しとったんか」「あほみたいな顔しとるやんけ」
「こんで分かったわ頭おかしーねん」
などと、ジロジロ見ては延々と顔や性格の話をし続け
鬱陶しさも頂点に達していた。


早く、そんな会社を辞めればよかったが
私にも予定があり、辞めるのは、まだ先に考えていた。
しかし、私生活でも腹の立つ事があったなど
ストレスも重なり、元々キレやすかった私は、
ついに、男子に聞こえるように怒鳴った。
「ジロジロ見るな! 歳とっとんのじゃ!」
すると男子は何を勘違いしたのが
「いっぺんジロジロ見るな言うてみたいわ」
と言っていた。


怒鳴られたことで私を
「キチガイ、頭おかしい」と頻繁に言うようになった。
また、毅然とした態度が自信があるように見えたのか
「絶対自分でかわいい思とる」と執拗に言い続けた為
男子に聞こえるように、隣の人に
「救いようのないアホですわ」と馬鹿にしたり
「顔の周りを飛び交う鬱陶しいハエ」
と害虫扱いした事から、嫌がらせが始まる事となった。